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第二十一回:HEXA

こんばんは、第二十一回です。漢字だとタイトルの数字がうるさくなってきましたね...。そんなわけで今回は課題制作の「HEXA」について話します。ネーミングセンス、欲しい。これは学部2年の秋ごろの制作だったと思います。

 

課題としては単純で「真空成型でプラスチック時計を作る」というものでした。つまりスタイリングの課題ですね。時計のユニットや針は市販のものでもOKです。まず真空成型とは?というところから軽く説明をしていきます。

 

真空成型とは「真空状態で型に板状の素材を押し付けて成型する方法」です。真空パックの要領ですね。これを簡単に図解したものが以下になります。

 

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←図の作者:ぼく

 

かなり手軽な方法なので大量生産にはかなり向いていますね。型さえ変えれば真空成型機が一台で様々な形状を量産できます。

ただし図から分かるように簡単な表面形状しか作ることはできません。内側の角とかでは空気を抜ききれないので、空気穴を別途型の方に用意するなどの工夫をする必要もあります。逆三角形の形では完成時に型を板から外せないため、こちらも工夫が必要になります。そういった制限に気を付けて形を作ることが必要になります。

 

課題の話に戻ります。この成形方法では時計の数字を形状に反映させるのは現実的ではありません。ですが僕は形状だけで時刻を見せたいと考えました。そこで設計した形状が以下になります。

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このように六角形を2つ重ねたような幾何学形状にしました。真空成型であることを考えて内側に鋭角形状が入り込むことには気を付けました。

次にこの型を木で作る作業に移ります。この工程、写真が残ってないんですよね...。結果から言うと、とても面倒だったのですがなんとかなりました。図面を見たらわかる人もいるかもですが、寸法値には無理数が出るところもあったので幾何形状のみから制作をせねばなりませんでした。全体を12個のユニットに分け、それを最後に接合することでなんとかうまくいきました。あと2DCADで実寸の平面形状を作って印刷し、それをガイドとして木に貼り付けて加工するというズルもしました。

 

そして最後に真空成形です。ここで初めて真空成型機を使いましたが面白かったです。あと最初の図解から分かるかもしれませんが、真空成型直後のプラ板には作る形状に関係のない余分が残っているので、それを切り落とす作業もここでしました。そして完成したのが以下になります。

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ポスターがダサいのは言ってはいけません。写真を撮るのが下手なのも言ってはいけません。みなこういう過程を経て上手くなっていく、はずです(今もグラフィックは下手ですが...)。総評ですが、形自体は良くできていると思います。まあまあ思い通りに出力ができました。プラ板のツルツルの面じゃなくてザラザラの面を表にしたのもまあ正解かなと思います。色を白にしたのも(置きに行ってはいるけど)悪くはないかなという感じです。時計の針を自分で作っている点も、その巧拙はどうであれ、努力ポイント高いですね。

 

この制作を通して新しい成型方法を学習・体験できたのは本当に貴重な機会だと思うし、何より面白かったです。こういう手を動かす課題はやってて楽しいですね~。そんなこんなで今日は終わります。次回は趣味回予定です。最近の急激な気温の変化には気を付けましょう。おやすみなさい~。

 

2020/08/03