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僕の作品アーカイブです

第三回:Round House

第三回は「Round House」という大学時代の課題制作についてです。これは学部2年の時の課題なので、もう3年前ですね...。

 

まず課題として「ターゲットを設定し、そのターゲットのための100㎥の家をデザインする」という条件が与えられます。この100㎥というのが曲者です。皆さんは100㎥と聞いてどのくらいの広さを思い浮かべますか?

まず建築基準法(だったっけ?)で最低天井高は2.1mと定められています。つまりこの時点で床面積は広くても約50㎡であることが分かります。50㎡というと大体小学校の教室一つくらいですね。こういうと狭く聞こえるかもしれませんが、普通サイズの部屋(4m×4mを想定)だと三つ分、僕の学生寮の部屋だと四つ分です(家としては狭いことは変わりませんが...)。この空間を上手く使わなければなりません。

 

僕はターゲットとして「定年退職をした、ものづくりを趣味に持つ夫婦」としました。当時の僕はまだまだターゲット設定がヘタクソですね...。書きながら恥ずかしさに悶えてます。このように具体的な対象がいないのに実感の難しい設定にしてしまうと、要件設定がグダグダになります。素直に自分とか親とか寮生にしておけばもっと深められたなぁ。

その要件として

・ものづくり用の作業スペース、くつろぎスペースの確保

・これらに家事スペースを足した3つのスペースを明確に分離すること

そしてコンセプトとして「100㎥という狭い家を広く見せること」としました。そしてできた1/50模型がこちらです。

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円形にしたのは

・一つの部屋の面積をできるだけ大きくとりたい

・通路をひと繋ぎにすることで居住者に広さを感じてほしい

・空間の切り替えのウェイトを同じにしたい

という理由からです。完成してから思いましたが、100㎥の空間制限を守った結果として中央に新たな空間が生まれているのは面白いところですね~。

 

立体写真の右の部屋は家事スペース。生活に必要な玄関、風呂、トイレ、キッチンをできるだけ効率よく配置するように努めました。

上はくつろぎスペース。大きなソファと団欒のためのテーブル(二人用)があります。またこの部屋を南側に設定しており、大きな窓を設けることで日当たりの良い、自然を感じられる部屋にしたいという意図もあります。

左下は趣味の作業スペース。作品と道具を置くことができる大きな棚と、壁と一体化している大きな机があります。椅子はスライド式で机と平行に移動できるようにしています。何をどう作る部屋なのか?特にここでターゲット設定の甘さが出ていますね...。

 

とまあこんな感じです。結論をいうと、実は僕はこの作品が結構気に入っています。間違いなく要件設定の精度は下の下ですが、コンセプトの表現は良い線いっていると思っています。あとこの模型を作るのがとても大変だったので愛着があります。当時の僕はスチレンボードに等間隔の切れ込みを入れて曲げるという手法を知らなかったため、この円弧上の壁はアーチ状に切り出したスチレンボードを重ねることで作られています。涙ぐましいですね...。形もきれいにまとまって見えます。

 

今回はこんな感じです。改めて授業の内容を振り返るのはまあまあ疲れますね...。次回はもっと軽い何かを紹介できれば。もっとひどい課題制作を見せて自虐する回もそのうちやります。ではおやすみなさい~。

 

2020/06/17

写真増やしたり見直して編集したりするかも?未定。