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第四十六回:視力検査のデザイン

こんばんは。なんだかすごく眠い。さて今回は前回の続きみたいな感じで、視力検査のデザインを紹介していきます。医療に関する問題のやつですね。

 

前回話したようにこの課題では各自の経験に基づいて医療に関する課題を設定していきました。そこで自分が設定した課題が何だったかというと、「視力検査室では隣の席とかが丸見えになっていて『能力のプライバシー』が守られていない」ということにしました。これにより劣等感や羞恥心が生じてしまいます。この課題は特に意地、見栄を張りたい小中学生で顕著だと思います、実際自分もそうでした。これによって検査機のランドルト環(Cみたいなやつ)の暗記とかが発生してしまい、正確な検査に支障を来すケースがあることが具体的な問題として挙げられます。

 

そこでこの課題のターゲットユーザーを「視力の低い小学生」とし、提案のコンセプトを「基準の不透明化」としました。これはどういうことかというと、この課題について考える中で、劣等感とは他者との視線や自己の能力の数値化による無意識的な比較によって生じるものだという考えに至りました。ではその比較の基準を曖昧にしてしまえばこのマイナスの感情は薄められるのではないかと考え、基準の不透明化という言葉を使いました。そしてこの考えを深めていった結果、視力検査に使う部屋(≒保健室)全体をリデザインすることにしました。そして最終提案がコレになります。

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①ハードウェア②仕切りジェスチャーの3つの視点から視力検査を考えました。ポスターに内の説明をかいつまんで説明します。ガチ勢はイメージ内のテキストを見ていただけるともっと良く分かると思うので、ぜひ読んでみてください。

①については、既存の視力検査機では上下大きさの違うランドルト環があることで、自分の能力の良し悪しが数値として分かってしまい劣等感の原因となることに焦点を当てました。結果、明るさや表示画像をコントロールできるデバイスを壁に設置するという提案になりました。これは既存のデバイスにアプリケーションをインストールするだけで良く、色視力などこれまでより多様な検査もできるようになるというメリットがあります。

②は見ての通り簡易的な仕切りです。小学校での視力検査は多くても年に2回ほどなので、できるだけインスタントに取り外しができるということをデザイン要件として設定しました。安全性も考えた上で天井にマジックテープ(バリバリのアレ)を用いて固定するのがベターだと考えました。

③ではジェスチャーの視点から試験官に分からないことを伝える方法を考えました。というのも人間にとって「分からない」ということを伝えるのはハードルが高いものです。それを視力検査時に声に出して伝えることはコンセプトに反します。そこで最低限の動作で「分からない」という意思を伝えるにはどうしたらいいかを考え、その結果肘から先を小さく上げることを合図にするという提案に落ち着きました。僕はこれがベターだと思って提案していますが、これに関してはもっと良い方法がある気もします。

 

説明は以上です。詰めて考えていった結果、理にかなってはいると思っていますが面白みに欠ける提案になってしまった部分も否めません。デザイン、ムズイ。こういう経験ベースのデザインは好みなので、もう少し器用かつ柔軟にこなせるようになりたいです。

今回はこれで以上です。新しい課題になるほど考えた量が多いので解説が大変ですね...。前よりも少しは上達しているんでしょうか。ワカラン。今月中にもう一回は投稿します。ではおやすみなさい~。

 

2021/02/22