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第三十七回:トンボ羽風車

お久しぶりです。もう11月ですね!ずっと投稿をサボってポケモン盾をしていましたが、殿堂入りしたので徐々に投稿頻度戻していきたいです。今回は課題回で「トンボの羽風車」を紹介します。これは学部2年になって最初のデザイン課題...だった気がします。

 

まず課題が何だったかというと「風をデザインする」というものでした。よくわかりませんね。実際人生初めての抽象的なデザイン課題でした。この課題に対して僕がどうアプローチしたのかというと、正直何も考えていませんでした。ただこの課題と、当時小型風車にはまっていたマイブームとがマッチしてしまい、かなりなげやりに風車にテーマを定め、その時脳内に構想があった風車計画をそのまま出しました。良くない。というわけで今回は説明するようなコンセプトとかがありません。デザインプロセス的にはかなり微妙ですね...。

 

では当時頭にあった構想について説明します。その前にまず風車の揚力について簡単に話します。下の図を見てください。

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これは一般的な風車の羽の断面図です。風を受けるとこの形状に沿って空気が流れます。この時形状が左右非対称なことで、上に流れる空気は速く、下を流れる空気は相対的に遅くなります。ベルヌーイの定理から全圧は一定なので、流速の速い上の方が圧力(静圧)は小さくなり、圧力の高い下から上に揚力が働く...というのが一般に最もよくされる説明です。当時の僕もこれを信じていましたが、おそらくこの説明はあまり正しくありません。本当は流線曲率の定理とかが絡んでくるのですがこれ以上詳しい説明は正直僕にはできません。今度教授に聞いてみます。とりあえず、今回の話は(当時の自分と同様に)これが正しい前提で進むと思ってください。

 

風車において発生する揚力が大きくなれば力を受ける羽の回転は速くなり、風車の発電効率が上がるのでは?と考えました。そこで揚力を大きくするのに、先ほどの説明で言う下の流れの速さを遅くするということを考えました。ここでモチーフにしたのがトンボの羽です。トンボの羽はその表面の凹凸で渦を作ることで、羽の上下の流速をコントロールしている...らしいです。ここで重要なのが渦ができるところは全体の流速が大きく下がることです。そこでトンボの羽の形をトレースして風車の羽に適用してみました。そのシミュレーション結果の一部が下図になります。

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まあ一応それっぽい結果は出てますね。見よう見まねでやったので境界とか流体とか細かい設定が正しいかは分かりません!この怪しい結果を基に提案したのがこちらです。

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もう特に説明することはないんですが、実際これは科学的にどうなんですかね...。一応当時の僕も、騒音と空気抵抗が大きくなる可能性は危惧していました。もともと流体工学をやっていたうちの教授に話したら呆れられそうですね...。優しく説明してくれる有識者、募集しています。

 

今回の話はこれで以上です。ここで初めて流体シミュレーションをやったんですが、難しかったですね。ネットでソフトウェアの使い方を探しても英語か、その怪しい翻訳ばかりで大変でした。シミュレーション画像はここには一枚しか載せていませんが、全部で20パターンくらい試しています。今はもう使わないのですっかりやり方は忘れてしまいましたが、良い経験だったと思います。モデリングも頑張っていますね。まあデザインとしてはダメダメなんですけどね...。今は当時よりデザインプロセスに慣れたのでこういったことが言えますが、そうでない普通の人が思い浮かべるデザインがこういうものであるというある種の初心も忘れないようにしたいです。

 

長々と書きましたがこれで終わりです。説明が怪しいからちょっと敬遠していたテーマだったのですが無事に終わって良かったです。次回は趣味回になります。投稿頻度は徐々に戻していくつもりです...。とりあえず今週中にもう一本投稿したいです。我ながら2日に一回投稿してたのスゴイな。では来る冬に備えて寝ます。おやすみなさい~。

 

2020/11/02